腸内環境は健康に深く関わることが知られていますが、「実際に自分の腸内環境はどうなっているのだろう?」と気になったことはありませんか。
最近では、腸内細菌の種類だけでなく、それぞれの菌がどのような働きをしているのかまで詳しく調べられる腸内フローラ検査が登場しています。
今回は、先生方が最新の腸内フローラ検査「マイクロバイオミー」を実際に受け、その結果をもとに腸内環境を詳しく分析しました。普段の生活習慣やストレス、食事が腸内環境にどのような影響を与えるのか、検査結果を交えながら分かりやすく解説します。
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最新の腸内フローラ検査「マイクロバイオミー」とは?
今回使用したのは、「マイクロバイオミー」という腸内フローラ検査です。
この検査では、腸内環境をA~Eの5段階で評価します。
しかし、この検査の特徴は判定だけではありません。
従来の腸内フローラ検査では、菌を「属」という大きなグループ単位でしか評価できませんでした。

一方、マイクロバイオミーではショットガンメタゲノム解析という解析方法を用いることで、「種」や「株」といったより細かなレベルまで分析できます。さらに、それぞれの菌が短鎖脂肪酸やビタミンをどれくらい作る能力があるのかという「機能」まで評価できることが大きな特徴です。
動画内では、この違いを「会社」に例えて分かりやすく説明しています。
従来の検査は、「営業部や経理部に何人いるか」という部署単位でしか把握できませんでしたが、ショットガンメタゲノム解析では、「社員一人ひとりがどんな能力を持っているか」まで詳しく分かるイメージです。これにより、腸内細菌の”量”だけでなく”働き”まで把握できるようになっています。

腸内フローラ検査が身近になった背景には、DNA解析技術の進歩があります。以前は、便に含まれる腸内細菌を培養して調べる方法が中心でしたが、腸内細菌の多くは培養が難しく、全体像を把握するのは困難でした。2000年代以降、「16S rRNA解析」や「メタゲノム解析」が普及し、便に含まれる細菌のDNAを直接調べられるようになります。さらに2007年に米国で「ヒトマイクロバイオーム計画」が始まり、腸内細菌研究が世界的に加速。日本でも2010年代以降、一般向けの腸内フローラ検査サービスが増えました。現在は菌の種類やバランスを知る手段として活用されていますが、結果だけで病気を診断できる検査ではない点も大切です。
サプリメントを3か月やめる実験を実施
今回の検査では、単に検査を受けるだけではなく、秋山先生ご自身がある検証を行いました。
普段から摂取している乳酸菌サプリメント「ラクエイド」と、ビタミンDサプリメント「ビタファイブ」を検査前の3か月間完全に中止し、本当に腸内環境へ影響があるのかを調べることにしたのです。

一方、平島先生は、
- 乳酸菌サプリメント(ラクエイド)
- ビタミンDサプリメント (ビタファイブ)
- 糖質制限(特に夕食では主食を控える)
- 高濃度ビタミンC点滴
などを継続し、それぞれの生活習慣の違いも比較できるようにしました。
さらに比較対象として、
- ディレクターの渡辺さん
- 前回の検査でE判定だった知人
も参加し、計4人で腸内フローラを比較することになりました。
ディレクターは食事に気を付けていてもC判定
最初に紹介されたのは、ディレクター・渡辺さんの検査結果です。
普段から食事には気を配り、食物繊維も意識して摂取していることから、良い結果が期待されていました。
実際に、腸内細菌の多様性は5点満点中5点と非常に優秀でした。多様性とは、腸内にさまざまな種類の細菌が存在している状態を指し、腸内環境を評価するうえで重要な指標の一つです。
しかし一方で、
- 有用菌の多さ
- 短鎖脂肪酸を作る力
- ビタミンを作る力
といった「機能面」のスコアは伸びず、総合判定はC判定という結果になりました。
さらに注目されたのが、「脳腸相関不調リスク」と「炎症リスク」の高さです。
先生方は、この結果について「仕事のストレスが腸内細菌に影響している可能性があるのではないか」と考察していました。
実際、渡辺さんは過去にストレスが原因と考えられる急性胃粘膜病変で入院した経験もあり、食事だけでなく、ストレスも腸内環境を大きく左右することが示唆される結果となりました。

前回E判定だった知人はC判定へ改善
続いて紹介されたのは、前回の腸内フローラ検査でE判定だった知人の結果です。
前回は、肉類を多く食べる食生活や、フソバクテリアと呼ばれる悪玉菌が多く検出されていたことから、大腸がんリスクなども懸念されていました。
今回の検査では、総合判定はC判定まで改善していました。
完全に良好な状態とはいえないものの、前回よりも腸内環境は改善しており、食生活を見直した効果が現れ始めている可能性が考えられます。

改善していても注意が必要な項目も
一方で、詳細な検査結果を見ると注意すべき点も残っていました。
特に高かったのが、
- 炎症リスクスコア
- 腸管透過性(リーキーガット)リスク
です。
リーキーガットとは、本来は体内へ入り込まない物質が、腸のバリア機能の低下によって血液中へ漏れ出しやすくなる状態を指します。
動画内では、不摂生な食生活や悪玉菌の影響によって腸の粘膜にダメージが起こり、リーキーガットのリスクが高まっている可能性があると説明されています。
また、この状態が続くと、生活習慣病だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの病気のリスクも高まる可能性があるため、引き続き生活習慣の改善が重要だと考えられます。
食生活の改善は腸内環境にも変化をもたらす
先生方によると、この知人は前回の検査後から、
- 食物繊維を積極的に摂る
- 水分摂取を意識する
といった生活習慣の改善に取り組んでいたそうです。
その結果、判定はEからCへ改善しました。
もちろん、体重の増加やストレスなど、まだ改善すべき点は残っていましたが、少しずつ生活習慣を見直すことが腸内環境の改善につながる可能性が示された結果といえるでしょう。
一方で先生方は、「食生活を変えることは簡単ではない」とも話しています。
無理な食事制限によって筋肉量が減少し、その後リバウンドすると、以前より痩せにくい体質になってしまうこともあります。
そのため、一時的なダイエットではなく、継続できる食生活を身につけることが大切です。
今回の検査から分かったこと
今回紹介された2人は、どちらも総合判定はC判定でした。
しかし、その原因は大きく異なります。
ディレクターの渡辺さんは、食生活には気を配っていたものの、ストレスが腸内環境へ影響している可能性が考えられました。
一方、前回E判定だった知人は、食生活の改善によって判定は向上したものの、炎症リスクやリーキーガットのリスクは依然として高い状態でした。
この結果から分かるのは、腸内環境は単に「良いものを食べれば改善する」というものではなく、
- 食生活
- ストレス
- 生活習慣
- 腸内細菌の働き
など、さまざまな要因が複雑に関係しているということです。
まとめ
最新の腸内フローラ検査では、腸内細菌の種類だけでなく、それぞれの菌がどのような働きをしているのかまで詳しく評価できるようになっています。
今回の検査では、食事に気を配っていてもストレスの影響で腸内環境が乱れる可能性や、食生活を改善することで腸内フローラが変化する可能性が示されました。
腸内環境は一度整えれば終わりではなく、日々の食生活や生活習慣、ストレスの影響を受けながら変化していきます。
自分の腸内環境を知ることは、今後の健康管理や生活習慣の見直しにつながる第一歩といえるでしょう。
次回の後編では、平島先生と秋山先生ご自身の検査結果をもとに、サプリメントを3か月中止したことで腸内環境がどのように変化したのかについて詳しくご紹介します。
📝 用語解説
① 腸内フローラ
腸内に生息する約1,000種類、100兆個以上ともいわれる腸内細菌の集まりを指します。腸内細菌が花畑(フローラ)のように群生していることから、このように呼ばれています。
② マイクロバイオミー
腸内細菌の種類だけでなく、それぞれの菌が持つ働きや機能まで詳しく解析できる最新の腸内フローラ検査です。菌が短鎖脂肪酸やビタミンを作る能力なども評価できます。
③ ショットガンメタゲノム解析
腸内細菌のDNAを網羅的に解析する検査方法です。従来の検査よりも細かく、「種」や「株」のレベルまで菌を特定でき、それぞれの菌が持つ機能も評価できます。
④ 短鎖脂肪酸
腸内細菌が食物繊維などを発酵して作り出す成分です。腸のエネルギー源となるほか、腸内環境の維持や生活習慣病予防に役立つ可能性があるとされています。
⑤ 多様性
腸内細菌の種類の豊富さを示す指標です。さまざまな種類の菌がバランスよく存在しているほど、腸内環境が良好であると考えられています。
⑥ 脳腸相関
脳と腸が自律神経やホルモンなどを介して相互に影響し合う仕組みです。ストレスが腸内環境に影響したり、腸内環境が心の状態に関係したりすることが分かってきています。
⑦ 急性胃粘膜病変
強いストレスや薬剤などが原因で、胃の粘膜に急性の炎症やびらん、出血が起こる病気です。突然の胃痛や吐き気、出血などを伴うことがあります。
⑧ リーキーガット(腸管透過性亢進)
腸のバリア機能が低下し、本来は体内へ入り込まない物質が血液中へ漏れ出しやすくなった状態です。腸内環境の悪化や炎症などとの関連が指摘されています。
⑨ フソバクテリア
口の中や腸内に存在する細菌の一種です。一部の菌は、大腸がんや炎症との関連が報告されており、増え過ぎると注意が必要と考えられています。
⑩ 炎症リスクスコア
腸内フローラ検査で評価される指標の一つです。腸内細菌の構成から、腸内で炎症が起こりやすい状態かどうかを推測するためのスコアで、数値が高いほど炎症リスクが高い可能性が示されます。
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