近年、腸内環境への関心が高まり、「食物繊維をしっかり摂ろう」「発酵食品を食べよう」と意識している方も多いのではないでしょうか。
しかし、最新の腸内フローラ検査では、単に「良い菌がいる・いない」だけではなく、腸内細菌がどれくらい働いているかまで詳しく調べることができます。
今回は実際に平島先生と秋山先生が受けた腸内フローラ検査の結果をもとに、「食物繊維」「サプリメント」「腸内細菌の働き」の関係について詳しくご紹介します。
前編はこちらから 【前編】腸内フローラ検査で専門医がまさかのC判定?サプリをやめて分かった腸内環境への影響
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平島先生はA判定。特別なことはしていなくても高評価だった理由
まずは平島先生の結果です。

総合判定はA評価。
特に高かったのは、
- 腸内細菌の種類の多さ(多様性)
- 短鎖脂肪酸を作る能力
- ビタミンを作る能力
でした。
腸内細菌は私たちが食べた食物繊維などを材料に、短鎖脂肪酸やビタミンB群など、健康維持に役立つ物質を作っています。
検査では、
- ナイアシン
- ビタミンB6
- 葉酸
などの生成能力が高く、短鎖脂肪酸であるプロピオン酸や酪酸も十分に産生できる状態でした。

平島先生自身は、
「乳酸菌とビタミンDのサプリは飲んでいますが、それ以外は特別なことはしていません。」
と話しています。
普段から食事内容に気を配り、水分補給や糖質の摂り方を少し意識する程度でも、継続した生活習慣が腸内環境に良い影響を与えている可能性が考えられます。

秋山先生は3か月サプリを中止。食物繊維を倍に増やした結果は?
一方で秋山先生は、あえて実験として、
- 腸活サプリメントを3か月中止
- 代わりに食物繊維を約40g/日まで増量
という生活を続けました。

玄米や海藻、根菜などを積極的に取り入れ、水溶性・不溶性食物繊維のバランスも意識していたそうです。
「正直、楽しい食生活ではなかったですね。」
という先生同士のやり取りからも、その努力の大変さが伝わってきます。
そして迎えた検査結果は……
総合判定はC評価でした。

一見すると残念な結果に見えますが、内容を詳しく見ると興味深いことが分かります。
食物繊維は「菌を育てる」。でも「菌を働かせる」とは別の話
秋山先生の検査では、
- 腸内細菌の多様性
- 腸のバリア機能
- 消化力
これらは良好な状態を維持していました。
つまり、食物繊維を十分摂取したことで、腸内細菌が暮らしやすい環境は維持できていた可能性があります。
しかし一方で、
- ビタミンを作る能力
- 短鎖脂肪酸を作る能力
は大きく低下していました。
ここが今回最も重要なポイントです。


先生方は、
食物繊維は菌の「餌」であり、サプリメントは菌の働きをサポートする役割を担っていた可能性がある
と説明しています。
会社に例えるなら、
- 食物繊維=社員を育てる環境
- サプリメント=社員が成果を出すためのサポート
というイメージです。
社員(腸内細菌)がたくさんいても、十分な働きができなければ成果(短鎖脂肪酸やビタミン)は減ってしまいます。
今回の結果は、「菌を増やすこと」と「菌がしっかり働くこと」は必ずしも同じではないことを示唆する内容となりました。

腸内フローラ検査は「自分に合った腸活」が分かる時代へ
現在の腸内フローラ検査では、単にABC判定を見るだけではありません。
自分の腸内細菌に適した食物繊維まで提案してくれることが特徴です。
例えば秋山先生には、
- アラビノキシラン(玄米・米ぬか)
- イヌリン(ごぼう・チコリ)
- グアーガム
- アラビノガラクタン(コーヒー豆・白さつまいも)
などが推奨されていました。
つまり、
「とにかく食物繊維をたくさん摂ればよい」
という時代ではなく、
自分の腸内細菌が好む食物繊維を選ぶことも重要になってきています。
先生方も、
食事を基本にしながら、必要に応じてサプリメントを組み合わせ、自分に合った方法を継続することが大切
とまとめています。
まとめ
今回の検査結果から見えてきたのは、腸活は「食物繊維だけ」「サプリメントだけ」といった単純なものではないということです。
食物繊維は腸内細菌を育てる大切な栄養源ですが、それだけで十分とは限りません。
また、腸内細菌の種類が多くても、短鎖脂肪酸やビタミンを十分に作れているとは限らないことも分かりました。
腸内環境は一人ひとり異なるため、自分に合った食事や生活習慣を知ることが、効率的な腸活への第一歩です。
腸内フローラ検査を活用することで、自分の腸内細菌の特徴を知り、より自分に合った腸活に取り組めるようになるでしょう。
📝 用語解説
- ① 腸内フローラ
腸内に生息する約1,000種類・数十兆個ともいわれる腸内細菌の集まりのことです。
- ② 腸内細菌の多様性
腸内にどれだけ多くの種類の細菌が存在しているかを示す指標です。多様性が高いほど、環境変化に強い腸内環境が期待されます。
- ③ 短鎖脂肪酸
腸内細菌が食物繊維を発酵して作る物質です。酪酸・酢酸・プロピオン酸などがあり、腸の健康維持に重要な役割があります。
- ④ 酪酸
短鎖脂肪酸の一種で、大腸の細胞のエネルギー源となり、腸のバリア機能を支える働きがあります。
- ⑤ プロピオン酸
短鎖脂肪酸の一種で、糖や脂質の代謝に関与すると考えられています。
- ⑥ 腸管バリア機能
腸の粘膜が有害物質や細菌の侵入を防ぐ働きのことです。
- ⑦ 食物繊維
人の消化酵素では分解できない成分で、腸内細菌の重要な栄養源となります。
- ⑧ イヌリン
ごぼうやチコリなどに多く含まれる水溶性食物繊維で、善玉菌の栄養源として利用されます。
- ⑨ アラビノキシラン
玄米や米ぬかなどに含まれる食物繊維の一種で、腸内細菌の餌となる成分です。
- ⑩ プレバイオティクス
腸内の有用菌の栄養となり、その増殖や働きを助ける食品成分の総称です。食物繊維やオリゴ糖などが代表的です。
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MicroBio Me(マイクロバイオミー)は、キリンが提供する腸内細菌検査です。自宅で採取した便から腸内細菌を詳しく解析し、自分に不足している有用菌(善玉菌)や、その菌が好む食材などを調べることができます。特徴は「ショットガンメタゲノム解析」という方法を採用している点で、菌の種類だけでなく、ビタミンや短鎖脂肪酸を作る能力なども確認できます。さらに、脳腸相関や免疫に関するスコア、50種類以上の菌の状態などもレポート化。自分の腸内環境を知り、これまでの腸活を自分に合った方法へ見直すためのヒントが得られる検査です。
公式サイト:キリン「MicroBio Me」公式サイト