秋山医師
秋山医師
今回のテーマは“食物繊維”なんですけど、そもそも食物繊維って何からできているか知っている人は少ないですよね。
平島医師
平島医師
そうですよね。食物繊維って糖ですよね。意外と“糖”って聞くと、え?って思われがちですけど
秋山医師
秋山医師
そうそう。理科で習ったやつですね。糖が1個だと単糖類、2個で二糖類、3個以上つながると多糖類
平島医師
平島医師
で、人間が分解できない結合でつながっているものが、食物繊維になるわけですよね

このように、食物繊維は「糖がいくつもつながってできているものの、人の体では分解されにくい」という特徴を持っています。
糖はつながりが少ないほど消化・吸収されやすくなりますが、食物繊維は多糖類として構造が複雑なため、人間の消化酵素ではうまく分解できません。

そして今回のテーマである発酵性食物繊維は、その食物繊維の中でも、大腸に入ったあと腸内細菌によって分解され、発酵が起こるものを指します。
人間自身は分解できなくても、腸内に住む細菌の中には、この結合を分解できるものが存在し、自分たちのエサとして利用します。

腸内細菌が好む食物繊維が大腸に届くことで発酵が起こり、これをまとめて「発酵性食物繊維」と呼んでいるのです。

    発酵性食物繊維とは?腸内細菌の「エサ」になる栄養素

    発酵性食物繊維とは、大腸に届いたあと、腸内細菌によって分解・発酵される食物繊維のことです。

    食物繊維の基本構造

    食物繊維は糖が鎖のようにつながった「多糖類」ですが、
    人間はβ結合という特定の結合様式を分解できません。

    しかし、
    腸内に住む細菌の中には、このβ結合を分解できる種類が存在します。

    平島医師
    平島医師
    私は分解できないのに、腸内細菌はできるんですよ(笑)

    このとき、腸内細菌が食物繊維を分解・発酵することで、
    短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸・プロピオン酸など)が産生され、腸内環境が整っていきます。

    発酵性食物繊維は水溶性に多い?その理由を解説

    食物繊維は大きく分けて

    • 水溶性食物繊維
    • 不溶性食物繊維

    の2種類があります。

    このうち、発酵性食物繊維は水溶性食物繊維に多く含まれることが分かっています。

    水溶性と不溶性の違い

    • 水溶性食物繊維
      水に溶け、腸内細菌に利用されやすい(=発酵されやすい)
    • 不溶性食物繊維
      便のかさを増やす役割が中心で、発酵されにくい
    秋山医師
    秋山医師
    割合でいうと、水溶性2:不溶性1くらいが理想ですね

    このバランスを意識することで、腸内環境は安定しやすくなります。

    医師が実際に勧める発酵性食物繊維の多い食材

    ここからは、動画内で挙がった具体的な食品をカテゴリ別に見ていきましょう。

    穀物類

    • 玄米
    • 押麦
    • ライ麦
    • オートミール
    • そば

    白米やうどんなど精製度の高い主食より、
    「白 → 茶色」への置き換えがポイントです。

    平島医師
    平島医師
    うどんを食べるなら、そばを選んでほしいですね

    豆類

    • 大豆
    • 小豆
    • 納豆
    • きな粉

    特に納豆は、発酵性食物繊維と発酵食品の“二重効果”が期待できます。

    秋山医師
    秋山医師
    豆類は本当に優秀。毎日食べてほしいですね

    野菜類

    • ごぼう
    • にんじん
    • さつまいも
    • 長芋
    • 玉ねぎ

    玉ねぎに含まれるケルセチンも、腸と全身の健康に役立つ成分です。

    果物類

    • アボカド
    • キウイ
    • バナナ
    • りんご

    中でも医師が特に推していたのは、アボカドとキウイ

    平島医師
    平島医師
    便秘にもいいし、良質な脂質も取れて、太りにくい。かなり優秀です

    きのこ・海藻類

    • しいたけ
    • しめじ
    • なめこ
    • わかめ
    • ひじき

    調理法によって成分は変わらないため、焼く・煮る・生、どれでも問題ありません。

    レジスタントスターチという“隠れた発酵性食物繊維”

    動画後半で登場したのが、レジスタントスターチです。

    これは「消化されにくいでんぷん」のことで、
    発酵性食物繊維の一種と考えられています。

    レジスタントスターチのポイント

    • 酪酸菌・ビフィズス菌のエサになる
    • 日本人の腸内細菌と相性が良い
    • 一度冷やすことで増える
    秋山医師
    秋山医師
    炊いたご飯を一度冷やして、チンして食べてもOKなんですよ
    平島医師
    平島医師
    冷凍庫の最前列、全部レジスタントスターチです(笑)

    「冷めたご飯を我慢して食べる必要はない」という点は、実践しやすい大きなメリットです。

    まとめ|腸は“正直”に反応する

    発酵性食物繊維は、特別な健康食品や難しい知識が必要なものではありません。
    主食を白いご飯から玄米や雑穀米に変える、うどんを選ぶならそばにする、
    豆類やきのこ、海藻類を普段の食事に取り入れる。
    こうした日常の食事の選択の積み重ねで、無理なく増やしていくことができます。

    動画内でも話されていたように、発酵性食物繊維は生でも、焼いても、煮ても成分が変わらないため、調理法を気にしすぎる必要はありません。
    「どうやって食べるか」よりも、「普段から意識して取れているか」が大切だと言えるでしょう。

    また、平島先生と秋山先生自身も、特別に頑張って腸活をしているというより、
    腸が欲しがるものを自然と選んでいる感覚に近いと話されていました。
    ビュッフェなどでも、頭で考える前に、腸内細菌が求めている食材を選んでしまう――
    それほど、日々の食習慣として体に馴染んでいるということです。

    平島医師
    平島医師
    腸は、ちゃんとエサをあげれば、ちゃんと応えてくれますからね

    発酵性食物繊維を意識した食事は、一時的に頑張るものではなく、
    日常の中で“自然に続いていく形”を作ることが重要です。
    小さな選択の積み重ねが、腸内環境を静かに、しかし確実に支えていきます。

    📝 用語解説

    発酵性食物繊維
     腸内細菌によって分解・発酵され、腸内環境を整える食物繊維。

    水溶性食物繊維
     水に溶けやすく、腸内細菌に利用されやすい食物繊維。

    不溶性食物繊維
     便のかさを増やし、腸のぜん動運動を促す食物繊維。

    腸内細菌
     大腸に生息する細菌群。栄養代謝や免疫に関与する。

    β結合
     人間の消化酵素では分解できない糖の結合様式。

    短鎖脂肪酸
     腸内細菌が食物繊維を発酵する際に産生する有機酸。

    酪酸菌
     大腸のエネルギー源となる酪酸を産生する有益菌。

    ビフィズス菌
     腸内環境を整え、免疫機能に関与する代表的な善玉菌。

    レジスタントスターチ
     消化されにくく、発酵性食物繊維として働くでんぷん。

    ケルセチン
     玉ねぎに多く含まれるポリフェノールの一種。

    発酵性食物繊維
    発酵性食物繊維って何に入ってるの?バナナはOK?納豆は?発酵性食物繊維リスト 簡単な腸活の指針を解説 No.539