胃カメラでわかる病気と観察範囲
今回は「たった5分の胃カメラが命を救う」というテーマでお話しします。
患者さんからは「胃カメラで食道も見られますか?」「喉も確認できますか?」とよく質問を受けます。
胃カメラでは、通常食道の全体・胃の内部・十二指腸の一部を観察します。
当院では鎮静剤を使用することで、反射を抑えながら咽頭(のどの奥)の観察も可能です。
ただし、嘔吐反射が非常に強い方の場合は咽頭の観察が難しい場合もあります。
胃カメラでわかるがんには、咽頭がん・食道がん・胃がん・十二指腸がんがあります。
このわずか5分程度の検査で、それらのがんの有無を調べることができます。効果的です。
消化管がんの罹患数と死亡数
次に、これらのがんの罹患数(病気になる人の数)と死亡数についてお話しします。
口腔・咽頭がんの年間罹患数は約2万人、死亡者数は約8,000人です。
食道がんは年間約2万6,000人が発症し、死亡者数は約1万人とされています。
胃がんは非常に多く、年間で約11万人が罹患し、死亡者数は約3万8,000人にのぼります。
十二指腸がんは比較的まれで、胃がんに比べて発生頻度は1%以下とされています。
早期の段階で発見された場合、これらのがんは内視鏡治療で対応可能です。
しかし実際には進行例が多く、死亡率が高いのが現状です。
十二指腸がんの正確な死亡者数は統計上明確ではありませんが、進行して見つかるケースが多く、予後(病気の経過)は不良とされています。

がんの5年生存率と早期発見の重要性
次に、がんの種類ごとの5年生存率についてです。
口腔・咽頭がんは早期の段階であれば、内視鏡治療によって80〜90%以上の方が5年後も生存しています。
一方で、進行した場合は化学療法や放射線治療を併用しても、生存率は50%未満に下がります。
食道がんも早期発見であれば5年生存率は80〜90%以上ありますが、進行がんになると30〜40%以下に低下します。
胃がんでは、早期がんの場合は90%近くの5年生存率を維持できますが、転移がある進行例では10%未満と大きく差が出ます。
十二指腸がんは報告例が少ないものの、早期であれば局所切除で60〜90%以上の生存率があるとされています。しかし進行例では30%前後とされています。
このように、どの部位のがんでも早期発見かどうかで結果が大きく変わります。
だからこそ、定期的に胃カメラを受けることが非常に重要です。
内視鏡治療と外科手術の違い
次に治療法の特徴についてです。
口腔・咽頭・食道・胃・十二指腸のがんは、早期発見できれば内視鏡による治療が可能です。
内視鏡治療の利点は、体への負担が少なく、入院期間も短く、回復が早い点です。
また、外科的治療と比べて合併症のリスクが低く、出血や穿孔などの合併症は5%以下に抑えられています。
体の外から切開を行わないため、傷跡も残らず、術後に「本当に手術したの?」と驚かれる患者さんもいるほどです。
一方、進行がんになってしまうと外科的手術が必要になります。
外科手術は大きな切開を伴う侵襲的(しんしゅうてき)な治療であり、喉や食道、胃などを大きく切除することになります。
その分、身体的な負担が非常に大きく、術後の合併症リスクも高くなります。
入院期間も内視鏡治療より長く、1〜2週間程度を要します。

たった5分の検査が命を救う
多くの方が胃カメラ検査を敬遠しがちですが、実際の検査時間はわずか5分程度です。
鎮静剤を使えば痛みはほとんどなく、苦痛も非常に少ないです。
ほんの数分の検査が、命を救うきっかけになることがあります。
実際に、当院での症例の中には次のような方々がいらっしゃいました。
定期的に検査を続けていたことで早期の咽頭がんを発見し、内視鏡治療で完治された方。
たまたま受けた胃カメラで早期の食道がんが見つかり、内視鏡治療で完治した方。
ピロリ菌の除菌後、定期的な胃カメラで早期の胃がんを発見でき、治療で完治された方。
そして、偶然受けた検査で早期の十二指腸がんが見つかり、内視鏡治療で完治された方もいます。
これらはいずれも、検査を受けていたからこそ救えた命です。
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命を守るためにできること
口腔・咽頭・食道・胃・十二指腸のがんを合わせると、年間で数万人が発症し、多くの尊い命が失われています。
しかし、早期発見・早期治療を行うことで、5年生存率は90%以上に上がります。
胃カメラはたった5分。
そのわずかな時間で、命を救うチャンスが大きく広がります。
内視鏡治療は外科的治療と比べて体への負担が少なく、安全性の高い治療法です。
だからこそ、今こそ胃カメラ検査を受けていただきたいと思います。
自分のため、そしてご家族のためにも、ぜひ検査を受けてください。
この動画をきっかけに、一人でも多くの方が検査を受けることで、多くの命が救われることを願っています。
たった5分の胃カメラを受ける勇気が、10年先の笑顔につながるかもしれません。
久津川先生のコメント
📌この記事は たまプラーザ南口胃腸内科クリニック/福岡天神内視鏡クリニック の医師監修のもと作成しました。
市販薬やサプリメントの利用については、基礎疾患や持病のある方は必ず主治医にご相談ください。
📝 用語解説
胃カメラ(上部消化管内視鏡):口または鼻から細いカメラを入れて、食道・胃・十二指腸の内側を直接観察する検査。
鎮静剤:検査中の不安やつらさを和らげ、うとうとした状態で楽に受けられるようにする薬。
嘔吐反射:喉に触れたときに起こる“オエッ”という反射で、鎮静により抑えられることが多い。
咽頭:口の奥〜喉の入口にあたる部位で、胃カメラで観察できることがある。
食道:咽頭と胃をつなぐ管状臓器で、胃カメラで全体を観察する。
胃:食物をためて消化を始める袋状の臓器で、内腔を隅々まで観察する。
十二指腸:胃の出口に続く小腸の最初の部分で、胃カメラで一部を観察する。
早期がん:臓器の表層にとどまり、リンパ節転移などがない段階のがん。内視鏡治療の対象になりやすい。
進行がん:深く広がる、または転移を伴う段階のがんで、外科手術や化学療法が必要になることが多い。
罹患数:一定期間に新たにその病気と診断された人の数。
死亡数:一定期間にその病気が原因で亡くなった人の数。
予後:病気の経過や見通しのことで、治りやすさ・再発の可能性などを含む。
5年生存率:診断や治療後5年時点で生存している人の割合で、治療成績の目安。
内視鏡治療:内視鏡から器具を出して病変部を切除する治療で、体への負担が小さいのが特長。
外科手術(開腹・開胸など):体表を切開して病変を取り除く治療で、内視鏡治療より侵襲が大きい。
侵襲(しんしゅう):治療や検査が体に与える負担の大きさのこと。
穿孔:臓器の壁に穴があくこと。内視鏡・手術いずれでもまれに起こり得る。
局所切除:病変のある部位だけを狭い範囲で切り取る治療。
腹部超音波検査(腹部エコー):超音波で肝臓・胆のう・膵臓などを描出する、痛みのない画像検査。
ピロリ菌(H. pylori):胃の粘膜に住みつく細菌で、胃炎・胃潰瘍・胃がんのリスク要因。
除菌治療:抗菌薬などを用いてピロリ菌を退治する治療で、胃がんの発生予防に役立つ。
スクリーニング:症状のない人に実施し、病気を早期に見つけるための検査。
生検:内視鏡で組織の一部を採り、顕微鏡で詳しく調べる検査。
鎮静と麻酔の違い:鎮静は“眠くして楽にする”方法、全身麻酔は“完全に眠らせる”方法で別物。
本記事は、動画の内容(タイムライン)を基に、一般向けに整理・解説したものです。自己判断での長期連用は避け、症状が続く/強い場合は必ず医療機関へ。妊娠・授乳中、基礎疾患や常用薬がある方は購入前に薬剤師・主治医へ相談してください。