大腸がんは「誰にでも起こりうる」身近ながん
皆さんは「大腸がん」と聞くと、どんな印象を持ちますか?
「高齢の方の病気」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、60代以上だけでなく、30〜50代の働き盛りの世代でも発症するケースが増えています。
つまり、大腸がんは誰にとっても無関係ではない病気なのです。
世界の統計では、2022年の1年間に約190万人が大腸がんと診断され、そのうち約90万人が命を落としました。
日本でも同年に約15万人が新たに大腸がんと診断され、約6万人が亡くなっています。
がん全体の中でも、大腸がんは発症数・死亡数ともに非常に多い部類に入ります。
戦後の食生活の欧米化により、肉や脂質の摂取量が増え、さらに運動不足・肥満・喫煙・飲酒といった生活習慣の変化がリスクを高めています。
「自分はまだ若いから大丈夫」と思わず、誰にでも起こりうる病気であることをまず知ることが大切です。
幸いにも早期発見できたため、内視鏡治療で完治しました。

習慣を変えれば、大腸がんは防げる
大腸がんは“予防できるがん”として知られています。
研究では、大腸がんの20〜45%は生活習慣の改善で予防できることが報告されています。
では、今日からできる「3つの予防習慣」を見ていきましょう。
① 食事の見直し
野菜や果物、豆類、全粒穀物などに多く含まれる食物繊維を積極的に摂りましょう。
食物繊維は腸内環境を整え、便通を改善し、発がん物質の滞留を防ぎます。
一方で、赤身肉や加工肉(ハム・ベーコン・ソーセージなど)の過剰摂取はリスクを高めます。
国際がん研究機関(IARC)でも、加工肉は「グループ1=発がん性がある」と分類されており、摂りすぎに注意が必要です。
② 適度な運動
1日30分のウォーキングを週5日行うだけでも、大腸がんのリスクを下げることが分かっています。
「エレベーターではなく階段を使う」「通勤で1駅歩く」など、日常の中の小さな工夫が積み重なることで、大きな予防効果につながります。
③ 禁煙と節度ある飲酒
タバコはあらゆるがんのリスクを高めます。
アルコールも過剰に摂ると、大腸の粘膜に炎症を起こし、発がんリスクが上がります。
「少し控える」だけでも体は確実に変わります。
こうした生活習慣の積み重ねが、未来の健康を左右します。
ただし、生活習慣だけで完全に防げるわけではありません。
大腸がんを本当に“予防できる”がんにするには、もうひとつ大切なステップがあります。

大腸内視鏡検査「たった1回の検査」が、未来を変える
それが大腸内視鏡検査です。
大腸がんは初期のうちはほとんど自覚症状がありません。血便・腹痛・便秘などの症状が出てからでは、進行している場合も少なくありません。
大腸内視鏡検査を受けることで、発生率や死亡率を40〜60%減少させられるという研究結果があります。
その理由は、検査が「診断」であると同時に「予防」にもなるからです。
大腸がんの多くは、腺腫性ポリープという良性の小さなポリープから始まります。
内視鏡検査ではこのポリープをその場で切除できるため、将来のがんを未然に防ぐことができるのです。
アメリカの長期研究でも、ポリープ切除により大腸がんによる死亡が約53%減少したと報告されています。

検査は「怖くない」「つらくない」
「検査は痛そう」「恥ずかしい」「怖い」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、当院では鎮静剤を使い、眠っている間に検査を終えることができます。
検査時間は30分程度、日帰りで受けられ、苦痛はほとんどありません。
ごく稀に出血や穿孔といった合併症が起こることもありますが、発生率は0.1%以下と非常に低く、メリットの方がはるかに大きい検査です。
忙しい方でも、半日あれば検査を終えられます。
「未来の自分への投資」と考えれば、その時間は決して無駄ではありません。
いつ受けるべき? 誰が対象?
日本では40歳以上を対象に便潜血検査が推奨されていますが、実際には50歳を過ぎたら一度は大腸内視鏡検査を受けておくことが望ましいです。
アメリカでは、若年性大腸がんの増加を受け、推奨年齢が45歳に引き下げられています。
家族に大腸がんの既往がある方や、血便・腹痛などの症状がある方は、もっと早期の受診が必要です。
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当院の内視鏡検査の特徴
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックでは、
- 苦しさ・痛みに配慮した鎮静下内視鏡検査
- 見逃しのない高精度な観察と診断
- 一人ひとりに合わせた鎮静剤量の調整
を徹底しています。
内視鏡専門医が豊富な経験をもとに丁寧に施行し、検査後も気分不良なく安心してお帰りいただけます。
まとめ:大腸がんは「行動で防げる病気」
大腸がんは「遺伝だから」「運命だから」仕方がない病気ではありません。
日々の生活習慣と、定期的な検査で大きく防ぐことができる病気です。
- 食事を見直す
- 体を動かす
- タバコとお酒を控える
- 定期的に検査を受ける
今日の行動が、5年後・10年後の自分と家族の健康を守ります。
あなたの未来を変える“たった1回の検査”を、ぜひ一歩踏み出してみてください。
📌この記事は たまプラーザ南口胃腸内科クリニック/福岡天神内視鏡クリニック の医師監修のもと作成しました。
市販薬やサプリメントの利用については、基礎疾患や持病のある方は必ず主治医にご相談ください。
📝 用語解説
大腸がん
大腸(結腸・直腸)にできるがん。初期は無症状でも進行することがある。
腺腫性ポリープ
良性の小さな隆起。放置で一部ががん化することがあり、予防的切除が有効。
大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡を入れて大腸全体を観察・診断する検査。ポリープ切除も同時に可能。
ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除)
内視鏡でポリープを輪っか状のワイヤーなどで切除する処置。将来のがん発生を防ぐ。
便潜血検査(FIT)
便の中の微量な血液を調べる簡便なスクリーニング。陽性時は内視鏡が推奨される。
鎮静下内視鏡
鎮静剤を用いて眠ったような状態で行う内視鏡。苦痛を抑え、丁寧な観察がしやすい。
合併症(出血・穿孔)
内視鏡や切除で稀に起こる不具合。発生率は低く、多くは適切に対処可能。
罹患率・死亡率
ある期間に新たに診断される割合(罹患)と、疾患で亡くなる割合(死亡)。疾病の規模を示す指標。
生活習慣要因
食物繊維不足、赤身肉・加工肉の過多、運動不足、喫煙、過度の飲酒など。見直しでリスク低減が可能。
加工肉・赤身肉(IARCの分類)
ハム・ベーコン等の加工肉は発がん性あり(グループ1)に分類。摂り過ぎを避けるのが無難。
本記事は、動画の内容(タイムライン)を基に、一般向けに整理・解説したものです。自己判断での長期連用は避け、症状が続く/強い場合は必ず医療機関へ。妊娠・授乳中、基礎疾患や常用薬がある方は購入前に薬剤師・主治医へ相談してください。