平島医師
平島医師
今回は前編に続きテロメアですね。DNAのコピーミスを防ぐための“キャップ”みたいなものなんですよ。
秋山医師
秋山医師
靴ひもの先端についてるプラスチックのところみたいなイメージですね。
平島医師
平島医師
そうそう!あれがあるから靴ひもがバラバラにならないじゃないですか。テロメアも同じで、DNAの端を保護して、遺伝子の端っこが切れたり短くなったりするのを防いでくれるんです。
秋山医師
秋山医師
確かに大事ですよね。テロメアって寿命とか老化とすごく関係してるって言われていますし。
平島医師
平島医師
はい。テロメアが短くなるほど細胞が老化したり、がん・心臓病などのリスクも上がると言われています。今日はそのテロメアを守る方法、逆に短くしてしまう習慣についてもお話ししていくわけですね。
秋山医師
秋山医師
そうです。科学的な根拠がある生活習慣も紹介しますので、患者さんにも役立つ内容になると思いますよ。

     テロメアとは何か?老化とどう関係する?

    テロメアの働き:細胞の“寿命カウンター”

    テロメアは細胞が分裂するたびに少しずつ短くなります。
    このため 「テロメアの長さ=細胞の若さ」 と表現されることもあります。

    • テロメアが長い → 細胞が若い
    • テロメアが短い → 細胞の老化が進んでいる

    ● テロメアが短くなると起きること

    • 免疫力低下
    • がん発症リスクの上昇
    • 動脈硬化など生活習慣病の悪化
    • 見た目の老化の加速

    先生たちも「めちゃくちゃ重要なんですよね」と強調するほど、健康に直結する大事な指標です。

    染色体の末端にある“保護キャップ”。細胞分裂のたび短くなり、短縮が進むほど老化・疾患リスクが上がる指標。

    テロメアを“守る”生活習慣  6つのポイント

    前編の動画ではテロメアが短くなるのを予防する生活習慣として、食事編で抗酸化物質を含む食事をとるということをお伝えしました。今回はその続きで食事意外での予防策をお伝えします。

    ② 適度な運動(1日30分・週5回)

    先生たちは「やり過ぎは活性酸素が増えて逆効果」と警告しています。

    ● 推奨される運動

    • ジョギング
    • 強めのウォーキング
    • スイミング

    6か月以上継続することで、非運動者に比べテロメアが“9年分”若かったという研究も紹介されました。

    ウォーキングの速度は適度に息が切れる程度の大股で早めがおすすめです。

    ● 運動しすぎると逆効果?

    過度の運動は活性酸素を増やし、酸化ストレスを高めるため注意が必要です。
    「僕は30分以上はやらないようにしています」と平島先生のリアルな声も。

    ③ ストレスを減らす(慢性ストレスが最も危険)

    慢性的な心理ストレスはテロメアを確実に短くします。

    先生たちも
    「染色体レベルに影響が来る」
    「染色体的にモテたい」
    と冗談交じりに話していましたが、実は非常に重要なポイントです。

    ④ 十分な睡眠(理想は7時間)

    「5時間以下の睡眠の人はテロメアが短かった」という研究があり、
    逆に 7時間睡眠がもっとも老化を防ぎやすい とされています。

    平島先生は
    「10時に寝て5時に起きる、ちょうど7時間」
    と話す一方、
    「本を書いている時はそうはいきませんが(笑)」
    と人間味溢れる雑談も。

    ⑤ 禁煙(喫煙者はテロメアが明確に短い)

    喫煙は強力にテロメアを短縮させます。

    • 喫煙者・元喫煙者 → 非喫煙者に比べ有意に短い
    • 喫煙量が多いほど短縮スピードが加速(用量反応)

    平島先生の曰く、「女性は特に顔色でわかる。黒っぽくなる」とのこと。

    ⑥ 過度な飲酒を避ける(週17単位以上で老化加速)

    飲酒とテロメアの関係についても報告があります。

    ● 1単位=アルコール20g

    • ビール350ml:14g
    • 缶チューハイ:19g
    • ワイン1杯:12g

    ● “どれくらいで危険?”

    • 1日50g(ビール約3本)を超えると老化が加速
    • 飲むなら「外食の時だけ」が望ましい
    • 毎日の家飲みはテロメア短縮の最大リスクの1つ
    アルコールを飲む時は「純アルコール量」を必ずチェックしましょう。

    ■ テロメアは短くなると戻らない ― だから予防が最重要

    テロメア短縮は不可逆(元に戻らない)とされています。

    そのため

    • 短くなる前に守る
    • 生活習慣で予防することが極めて重要。


    「戻らないからこそ、予防に価値がある」と強調していました。

    注目の最新研究:ビタミンDがテロメア短縮を防ぐ?

    秋山先生が紹介した興味深い研究があります。

    ビタミンD 2,000 IU/日 ➕ オメガ3脂肪酸 1g/日 の摂取を4年間継続すると、

    テロメアの短縮が“3年分”抑えられたという結果が出たというものです。

    なぜビタミンDが効く?

    ではなぜ、ビタミンDの摂取がテロメア短縮を防ぐのでしょうか?>

    • 抗炎症作用
    • 細胞増殖の調整作用

    これらがテロメアの保護に関与していると考えられています。

    さらに先生たちは
    「我々は4,000IUを推奨している」とも話し、「さらに効果が期待できるかもしれない」ともコメントしています。

    暑さ(温暖化)もテロメアを縮める?最新の大型研究

    台湾の2万4922人を15年間追跡した研究では、
    外気温の上昇がテロメア短縮のスピードを加速させるという報告も紹介されました。

    • 屋外の方がスピードは速い
    • しかし室内でも影響あり
    • 暑さによる「見えない老化」が進む可能性

    「飲酒や喫煙と同じスピードで老ける」との指摘もあり、非常にインパクトの大きい内容です。

    まとめ:今日からできる“テロメアを守る習慣”

    ● テロメアを守る6つの習慣

    1. 抗酸化物質をとる
    2. 30分×週5日の運動
    3. ストレスをためない
    4. 7時間睡眠
    5. 禁煙
    6. 毎日の過度な飲酒を避ける

    ● プラスαの予防

    • ビタミンDサプリ(2000〜4000IU)
    • オメガ3脂肪酸

    ● 老化は「遺伝子レベル」から防げる時代へ

    テロメアは一度短くなると元に戻らないため、
    今日の生活習慣が10年後・20年後の健康を大きく左右します。

    先生たちの軽妙なトークも交えつつ、科学的根拠のある“老化対策”が盛りだくさんの内容でした。
    日々の生活の積み重ねこそが、細胞レベルの若さを守る最も確実な方法です。

    テロメア,老化
    【老化の原因は“DNAの先端”にあった:後編】寝不足・ストレス・お酒…生活習慣を改善するだけで老化対策に No.571

    📝 用語解説

    テロメア
    染色体の末端にある“保護キャップ”。細胞分裂のたび短くなり、短縮が進むほど老化・疾患リスクが上がる指標。

    テロメラーゼ
    一部の細胞でテロメアを維持する酵素。体の多くの体細胞では活性が低く、生活習慣で“短縮の進み方”を遅らせる発想が重要。

    酸化ストレス(活性酸素)
    紫外線・喫煙・過度運動・飲酒・睡眠不足などで増える“細胞のサビ”。DNA損傷を通じてテロメア短縮を加速させる。

    慢性ストレス
    心理社会的ストレスが長期化した状態。コルチゾール上昇や炎症を介しテロメアを確実に短くすることが報告されている。

    7時間睡眠
    睡眠不足(5時間未満)と比べ、7時間前後はテロメア保護に有利とされる目安。入眠・起床を整えることが鍵。

    適度な運動(30分×週5日)
    強めのウォーキング/軽いジョギング/スイミングなど。やり過ぎは活性酸素で逆効果のため“中強度を継続”が基本。

    ビタミンD(IU)
    抗炎症・細胞増殖調整に関与。2000–4000IU/日を軸に、血中濃度の適正化がテロメア短縮の抑制に寄与し得ると示唆。

    オメガ3脂肪酸
    EPA/DHAなどの多価不飽和脂肪酸。抗炎症作用によりテロメア保護効果が期待され、ビタミンDとの併用研究もある。

    アルコール“1単位=20g”
    ビール350mLで約14g。1日50g超の常飲はテロメア短縮を加速。飲むなら頻度・量を絞り“家飲み常習”を避ける。

    高温曝露(温暖化)
    屋外だけでなく室内でも外気温上昇がテロメア短縮を速める可能性。暑熱対策(冷房・水分・遮熱)が“見えない老化”対策に。