後編ではその続きとして、
「では実際に、どこまでやるのが体にとって現実的なのか」という視点から、12時間断食・睡眠時間・体内時計、そしてファスティング酵素の問題について掘り下げていきます。
前編では、16時間断食が
血糖スパイク、腸内環境の悪化、筋肉量の減少などを引き起こす可能性について解説しました。
12時間断食はなぜ“ちょうどいい”のか
健康効果と継続性のバランス
動画内では、近年「12時間断食」を勧める医師が増えていることが語られていました。
その理由は、健康効果と継続性のバランスが取れている点にあります。
長時間の絶食は、
血糖スパイクや筋肉量の低下といったリスクを伴う一方、
12時間程度であれば、それらの問題を避けながら一定の効果が期待できると考えられています。
先生方は、
「16時間まで無理に引き延ばさなくても、12時間あれば十分なのではないか」
と話しています。
特に注目されていたのがオートファジーです。
オートファジーとは、細胞が自分自身の一部を分解・再利用し、
新しく作り替えていく“細胞のリサイクル機能”のことを指します。
この働きは、絶食によって活性化することが知られています。
オートファジーが始まるまでに必要な絶食時間については、
実ははっきりした結論は出ていません。
しかし、12時間程度でも十分に働く可能性がある、という考え方も示されています。そのため、
「16時間我慢し続ける必要は必ずしもない」
というのが、先生方の共通した見解でした。

睡眠時間と朝食が体内時計を整える
“BREAKFAST”の本当の意味
後編で特に重要なキーワードとして語られていたのが、体内時計です。
体内時計は、私たちの体のリズムを司る仕組みで、
実は24時間より少し長い周期を持っているといわれています。
そのため、毎日どこかでリセットしないと、
少しずつズレていってしまいます。
このリセットに重要な役割を果たすのが、
- 朝の日光
- 朝食
です。
動画内では、「朝食は英語で“BREAKFAST”って言いますよね」
という話題が出てきます。
BREAKFASTとは、
夜の長い絶食時間(Fast)を“Break(終わらせる)”という意味です。
朝起きて日光を浴び、
2時間以内に食事を摂ることで、体内時計がリセットされ、
体はエネルギーを使うモードへ切り替わります。
一方で、
長時間の絶食後に昼食や夕食が最初の食事になってしまうと、
体内時計のリセットが弱くなり、食後の血糖値が下がりにくくなるとも言われています。
動画内では、朝起きたらすぐにカーテンを開ける、といった生活習慣やパジャマの話題など、和やかな雑談も交えながら、「生活リズムの大切さ」が繰り返し語られていました。

3食きちんと食べることが腸を守る
血糖値と腸内環境の安定につながる理由
12時間断食の大きな特徴は、朝食を抜かないことです。
朝食を抜かないことで、
- 1日3食をきちんと摂れる
- 血糖値の急上昇が起こりにくい
- 腸内環境が安定しやすい
といったメリットがあります。
朝食で糖質を控えるだけでも、昼食後の血糖値が上がりにくくなる
「セカンドミール効果」も期待できます。
また、肥満気味の人を対象にした研究では、
13〜14時間断食で体重や腹囲が減少した例があり、
12時間断食でも同様の効果が期待できる可能性が示唆されています。
先生方は、
「1日1食や2食では、栄養を十分に摂りにくい」
とも話しています。
特に、たんぱく質は体内に溜めておけない栄養素です。
そのため、1回でまとめて摂るのではなく、
3食に分けて摂ることが重要だとされています。
腸内フローラ検査の結果を見ても、
判定が良い人ほど、きちんと3食食べている傾向があることがわかってきています。

“ファスティング酵素”の意外な落とし穴
血糖スパイクを繰り返す原因に
後編で強く注意喚起されていたのが、ファスティング酵素ドリンクです。
動画内では、
「ファスティング酵素という名の砂糖水ですよね」
と、はっきりとした表現で語られていました。
市販されているファスティング酵素飲料の多くは、
実際には糖質が主成分となっています。
これを断食中にこまめに飲むことで、
- 飲むたびに血糖値が急上昇
- 血糖スパイクを何度も繰り返す
という状態になりやすくなります。
さらに、
- 水分不足による脱水
- 栄養不足
- 筋肉量の減少
といった問題も起こり得ます。
一時的に体重が減ったように見えても、それは水分が減っているだけの場合が多く、
食事を戻すとリバウンドしやすい、という点も指摘されていました。

まとめ:無理なく続けられる方法が、結果的に最善
後編で示された結論は、非常にシンプルです。
- 16時間断食は、血糖スパイクや筋肉量低下などのリスクが伴う
- 12時間断食は睡眠時間を活用でき、無理なく継続しやすい
- 朝食と日光によって体内時計をリセットすることが重要
- 1日3食をしっかり摂ることが、血糖値の安定と腸内環境の維持につながる
- ファスティング酵素には注意が必要である
- 就寝前3時間は食べない「12/3(ケトフレックス・トゥエルブスリー)」の考え方を取り入れると、より理にかなった食習慣になる
動画内では、
12時間断食に加えて「寝る前の3時間は食事をとらない」という
12/3(ケトフレックス・トゥエルブスリー)の考え方についても触れられていました。
これは、睡眠中の代謝や体内リズムを乱さないための工夫として、
無理なく取り入れやすい方法といえます。
先生方も最後に、
「無理しないで続けることが一番大事」
と改めて強調していました。
健康のための取り組みは、流行やイメージに左右されるものではありません。
自分の生活リズムに合った形で、無理なく継続できる習慣を整えることこそが、
血糖値の安定、腸内環境の維持、そして日々の体調管理につながる近道といえるでしょう。
📝 用語解説
- 16時間断食
1日16時間を絶食にする食習慣。空腹後の過食で血糖値スパイクが起きやすく、筋分解→筋量低下の懸念。高齢者ではサルコペニア悪化リスク。 - 12時間断食
睡眠時間を含め食間を約12時間あける方法。朝食を摂りつつ継続しやすく、体内時計の再設定と血糖の安定を狙える。 - 血糖値スパイク
食後に血糖が急上昇し、その後急降下する現象。だるさ・過食の引き金になり、代謝や体脂肪にも悪影響。 - サルコペニア
加齢などで筋肉量・筋力が減る状態。断食時間が長いとエネルギー確保のために筋分解が進み悪化しやすい。 - オートファジー
細胞内の“自己分解・再利用”機構。断食で活性化が示唆され、12時間程度でも働くと考えられる。 - 体内時計
約24時間周期の生体リズム。朝の光+朝食で“リセット”され、代謝や血糖応答が整いやすくなる。 - BREAKFAST(ブレックファスト)
「断食(fast)を破る(break)食事」。起床後2時間以内に摂ると体内時計の再設定が強まりやすい。 - セカンドミール効果
朝に糖質を控えるなどの工夫で、次の食事(昼)の血糖上昇が抑えられる現象。 - ファスティング酵素ドリンク
実態は糖質が多い飲料が多く、断食中の反復摂取は血糖スパイク・脱水・筋量低下を招き、リバウンドの原因にも。 - リバウンド
脱水や筋減少で一時的に体重が落ちた後、食事再開で体脂肪が増えやすくなること。 - たんぱく質の分割摂取
貯め置きできない栄養のため、朝昼夕の3食に分けて摂るのが筋量維持に有利。 - ケトフレックス12/3(ケトフレックス・トゥエルブスリー)
12時間断食に「就寝3時間前は食べない」を加える食習慣。睡眠と代謝リズムの最適化を狙う。