習慣③ 運動ががん予防になる理由は「糖」と「筋肉」にあった
運動は「健康のため」というイメージが強いですが、近年の医学研究ではがん予防そのものに直結する行動であることが分かってきています。
2022年に発表された大規模臨床試験では、
- ビタミンD摂取
- オメガ3脂肪酸摂取
- 自宅でできる簡単な運動
この3つを組み合わせたグループで、がんの罹患率が61%も減少しました。

ポイントは「大きな筋肉を使うこと」
特に重要なのが、太ももなど下半身の筋肉です。
人の筋肉の約7割は下半身に集中しており、ここを使うことで効率よく代謝が上がります。
おすすめされていたのは、
- スクワット:1日15〜30回
- 早歩き:15〜30分
- 階段を使う(1段飛ばしなど)
「犬の散歩は運動じゃないですからね(笑)」という平島先生の冗談混じりの一言もありつつ、“息が少し上がる”レベルが目安だと説明されていました。

なぜ運動でがんが抑えられるのか?
がん細胞は糖をエネルギー源にして増殖します。
運動をすると筋肉が糖を大量に消費するため、結果的にがん細胞の“兵糧攻め”になるのです。
さらに、筋肉から分泌される「マイオカイン」というホルモン様物質が、
- 炎症を抑える
- 免疫を活性化する
といった作用を持つことも分かっています。

習慣④ 腸は最大の免疫器官:乳酸菌は「量」がすべてー
4つ目の習慣は、乳酸菌の摂取です。
腸には全身の免疫細胞の約7割が集まっており、腸内環境は免疫力そのものを左右します。
重要なのは「1日1兆個」
一般的なヨーグルト1個に含まれる乳酸菌は、約10億〜100億個。
納豆1パックでも数千万〜数億個程度です。
しかし、腸内には約38兆個の腸内細菌が存在します。
この環境に対して数億個レベルでは、正直「焼け石に水」。
そこで目安として提示されていたのが、👉 1日1兆個の乳酸菌
生菌より「死菌」が効率的な理由
「乳酸菌は生きていないと意味がない」と思われがちですが、
免疫を刺激する目的では死菌でも十分有効です。
死菌のメリットは、
- 大量摂取が可能
- パイエル板(免疫スイッチ)を強く刺激できる
- 胃腸への負担が少ない
結果として、
- アレルギー改善
- メンタル安定
- 腸内フローラ改善
といった効果も期待できます。
習慣⑤ 慢性炎症を鎮める「ケルセチン」という選択
5つ目は、ケルセチンです。
玉ねぎの皮や緑黄色野菜に含まれるポリフェノールの一種で、非常に強力な抗炎症作用を持ちます。
慢性炎症こそ、がん・動脈硬化の火種
体内でくすぶり続ける慢性炎症は、
- がん
- 動脈硬化
- アレルギー疾患
など、さまざまな病気の土台になります。
ケルセチンには、
- 炎症抑制
- 免疫調整
- ヒスタミン放出抑制
といった作用があり、花粉症やアトピーの改善にも関与します。
食事だけでは正直、足りない
ケルセチンの推奨摂取量は1日あたり150mg。
玉ねぎ100gに含まれるケルセチンは約30〜50mg。サニーレタス100gあたり約2mg、
ブロッコリーでは100gあたり3mg程度です。
現実的には、サプリメントを活用したほうが断然効率的です。
これまでの内容を踏まえて、日常でできること
改めて5つのポイントを整理すると
- ビタミンD:免疫の司令塔
- オメガ3脂肪酸:抗炎症の要
- 運動:糖代謝と免疫活性
- 乳酸菌:腸免疫のトレーナー
- ケルセチン:天然の抗炎症剤
運動と食事は習慣化を意識し、
不足しやすい栄養素はサプリメントを賢く活用する。
「やらない手はないですよね」という言葉が、とても印象的でした。
前回から今回にかけて語られていたのは、難しいことではなく、日常の中で意識できることばかりです。先生方の話からは、そうした現実的なスタンスこそが、結果的に体を守ることにつながっていくというメッセージが一貫して伝わってきます。
📝 用語解説
ビタミンD
免疫調整に関与する脂溶性ビタミン。不足すると感染症やがんリスクが上昇。
オメガ3脂肪酸
EPA・DHAなど。抗炎症作用を持ち、血管・免疫を守る。
マイオカイン
運動時に筋肉から分泌される生理活性物質。抗炎症・免疫活性作用あり。
腸内フローラ
腸内細菌の集団構成。免疫・代謝・メンタルに影響。
パイエル板
小腸にある免疫組織。腸免疫の司令塔。
死菌
加熱などで死滅した乳酸菌。免疫刺激には十分有効。
慢性炎症
自覚症状なく続く炎症。がんや生活習慣病の原因。
ケルセチン
ポリフェノールの一種。強力な抗炎症・抗酸化作用を持つ。
ヒスタミン
アレルギー症状を引き起こす物質。ケルセチンが放出を抑制。
がん罹患率
一定期間内に新たにがんと診断される割合。