久津川医師
久津川医師
当院では「安全に、苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」を行っています。 見逃しのない高精度な観察を心がけ、これまで培ってきた経験を生かして、安全で確実な検査・治療を提供しています。 患者さん一人ひとりに合わせて最適な鎮静剤の量を調整し、検査後も気分不良が残らないよう努めています。どうぞ安心してご相談ください。

    食道がんを防ぐために ― 早期発見のカギは「胃カメラ

    タバコやお酒を飲まない人でも油断は禁物

    ある患者さんAさんから「周りに食道がんになった人がいるけど、自分は大丈夫ですか?」と相談を受けました。

    Aさんはタバコもお酒も嗜まない方です。確かに食道がんの大きなリスク要因は喫煙と飲酒であり、これらを行わない人はリスクが低いといえます。

    しかし、受動喫煙(他人のタバコの煙を吸うこと)もリスクの一つです。実際に、当院で早期の食道がんを発見した女性患者さんはタバコもお酒も一切しない方でした。もしかしたらご家族にヘビースモーカーの方がいたのかもしれません。

    幸いにも早期発見できたため、内視鏡治療で完治しました。

    受動喫煙は2000年代から強く問題視され始め、日本でも改正健康増進法が2020年に全面施行された。
    「バリウム検査」では早期発見は難しい

    食道がんや胃がんの早期発見には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が不可欠です。

    バリウム検査(上部消化管造影検査)では、食道や胃の粘膜をX線で間接的に観察しますが、初期のがんを見つけるのは極めて困難です。実際に、当院ではバリウム検査で「異常なし」と言われた後、胃カメラで早期がんを発見した例を多数経験しています。

    食道がんは平坦な初期病変の段階で発見しないと内視鏡治療ができません。

    腫瘍が盛り上がるほど進行し、他の臓器に転移する危険が高まります。食道がんは胃がんや大腸がんに比べても再発率が高く、命を落とすことの多いがんなのです。

    胃がん検診に「バリウム検査」はもう古い?

    バリウム検査の限界

    次によくある質問が「胃がんが心配だけど、バリウム検査で大丈夫ですか?」というものです。

    結論から言うと、バリウム検査は“早期発見”には不向きです。確かに、統計的にはバリウム検査によって胃がんの死亡率を下げるというエビデンス(科学的根拠)はあります。

    しかしそれは「進行した大きな胃がん」を見つけることに関してです。

    内視鏡治療で完治できる小さな早期がんを見つけるには不十分です。

    また、バリウム検査で「異常なし」と言われても、それは「命に関わるほどの大きながんはない」という意味であり、「がんがまったくない」とは限りません。

    鎮静剤を使えば苦しくない時代へ

    「胃カメラは苦しい」というイメージから検査を避ける方も多いですが、

    現在ではカメラの径が細くなり、経鼻内視鏡(鼻から入れるタイプ)も普及しています。さらに当院では鎮静剤を使用し、ウトウト眠っている間に検査を行うため、ほとんどの方が「気づいたら終わっていた」と感じるほどです。

    鎮静剤を使うと咽頭反射(オエっとなる反応)も抑えられ、食道の入り口や胃の奥まで丁寧に観察できます。医師側も落ち着いて観察ができるため、見逃しのない精度の高い検査が可能になります。

    鎮静剤で痛みと嘔吐反射を抑制し、眠っている間に食道~胃・咽頭まで、細部までしっかり観察できます。

    ピロリ菌の除菌も忘れずに

    胃がんを予防するうえで、ピロリ菌(Helicobacter pylori)の有無は非常に重要です。

    この菌が胃の粘膜に慢性的な炎症を起こし、長期的に放置すると萎縮性胃炎を経て胃がんの原因になることがわかっています。

    胃カメラでは、ピロリ菌感染の有無を粘膜の状態から推測したり、生検で確認することができます。感染があった場合は、除菌治療を行えば胃がんのリスクを大きく下げられます。

    ちなみに、私自身も若い頃にピロリ菌が見つかり、除菌しました。その経験からも、患者さんには定期的な胃カメラ検査をお勧めしています。

    5分で終わる「命を守る検査」

    胃カメラは多くの方が思っている以上に短時間で安全な検査です。

    実際の検査時間はおよそ5分。早期の食道がんや胃がんは、このわずか5分で見つけ出すことができます。

    もし進行がんになってしまうと、手術・抗がん剤・放射線治療など長期間の治療が必要になり、体への負担も大きくなります。

    一方で、早期がんであれば内視鏡治療のみで完治できる可能性が高いのです。

    だからこそ、怖がらずに「今」受けてほしい。

    それが、医師としての私の願いです。

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    まとめ:本当に信頼できる検査を選ぶために

    食道がん・胃がんは、「胃カメラ」でしか早期発見できません。

    バリウム検査では、命を守るために必要な初期段階の病変を見逃してしまう可能性があります。

    たった5分の検査が、人生を大きく変えるかもしれません。

    「怖い」「面倒」と思う気持ちは誰にでもあります。

    しかし、未来の自分と家族のためにぜひ一度、胃カメラ検査を受けてみてください。

    だからこそ、今こそ胃カメラ検査を受けていただきたいと思います。

    自分のため、そしてご家族のためにも、ぜひ検査を受けてください。

    【医師が家族に話すリアルな話】受けるべきは胃カメラ?バリウム検査?医師が語る本気のアドバイス

    久津川先生のコメント

    📌この記事は たまプラーザ南口胃腸内科クリニック/福岡天神内視鏡クリニック の医師監修のもと作成しました。
    市販薬やサプリメントの利用については、基礎疾患や持病のある方は必ず主治医にご相談ください。

    📝 用語解説
    胃カメラ(上部消化管内視鏡)
    口(または鼻)から細いカメラを入れ、咽頭・食道・胃・十二指腸の一部を直接観察する検査。

    バリウム検査(上部消化管X線造影)
    造影剤(バリウム)を飲んでX線で形の異常をみる検査。小さな早期がんの発見能は内視鏡より劣る。

    鎮静剤
    検査中の不安やつらさ、嘔吐反射を和らげる薬。眠っているような状態で内視鏡検査を受けられる。

    経鼻内視鏡
    鼻から入れる細径スコープを使う胃カメラ。咽頭反射が出にくく、負担軽減が期待できる。

    早期がん
    粘膜内~粘膜下層にとどまる段階のがん。内視鏡治療で根治が期待でき、生存率が高い。

    進行がん
    病変が深く広がる、または転移を伴う段階のがん。外科手術や化学・放射線治療が必要になる。

    内視鏡治療
    胃カメラ等で病変部を切除する低侵襲治療の総称。体への負担が少なく、入院期間も短い。

    食道がん
    食道に生じる悪性腫瘍。喫煙と飲酒が主なリスクで、受動喫煙でも発症リスクが上がる。

    受動喫煙
    他人のたばこ煙を吸うこと。非喫煙者でも食道がんなどの発症リスクを高める。

    ピロリ菌(Helicobacter pylori)/除菌
    胃に住みつく細菌。感染は胃炎や胃がんの危険因子で、薬で除菌すると胃がん予防に役立つ。

    本記事は、動画の内容(タイムライン)を基に、一般向けに整理・解説したものです。自己判断での長期連用は避け、症状が続く/強い場合は必ず医療機関へ。妊娠・授乳中、基礎疾患や常用薬がある方は購入前に薬剤師・主治医へ相談してください。