朝食を制するものは腸漏れを制する!
さて今回はタイトルである「朝食を制するものは腸漏れを制する!」について解説していきたいと思います。

皆さんは朝食を食べているでしょうか。
農林水産省のまとめを見てみると、日本人で朝食を食べている人は8割程度と言われています。
もっと少ないかと思ってました。意外に朝食を食べている人って多いんですね。
我々のクリニックで腸内フローラ検査を行っているのですが、腸内環境が良好な方は必ず1日3食食べているというデータです。つまり、腸内環境を良くするには毎日きちんと3食食べるのが基本だということがわかりますね。
それなのに、日本人は腸漏れしている人が約7割もいると言われています。
でも、朝食はきちんと食べてるのに腸漏れはしている人が多いということになりますよね。。。なぜでしょうか?
それは、「朝食の内容に問題があるから」です。
国民健康・栄養調査報告によると、日本人の食事の割合は
朝食:昼食:夕食=24%:32%:44%
となっています。
朝食は夕食の約半分しか食べてないんですよね。
さらに、実は朝食を食べている人のうち、パン食である方が7割もいるんですね。しかも10分以内にパパッと食べてしまう人が半分以上です。
「朝ご飯は時間をかけずにサッと済ませてしまいたい」という意識があるのだと思います。
しかしながらパンにはグルテンが含まれています。腸漏れの原因となってしまうので要注意です。
私は、朝食こそ栄養素をしっかり食べるのが良いと考えています。その理由を解説していきたいと思います。
1 朝食こそたんぱく質を摂ろう!

まずは、食事の主役となるたんぱく質ですが、1日3食のうち、一般的に朝食が一番たんぱく質の摂取量が少ないと言われています。
これはなんとなくわかりますよね。昼や夜に肉や魚などをがっつり食べて、朝はパンやスムージーなどで簡単にかつ短時間で済ませるイメージです。
実はたんぱく質は食べ貯めができません。体が一度に利用できるタンパク質の量は決まっています。
たんぱく質は、一度に20gほど摂取するとようやく合成のスイッチが入り、30gから多くても40gまでで合成がストップすると言われています。
つまり、一度に摂取するタンパク質の摂取量は、少なすぎても多すぎてもダメということですね。
また、夕食から朝食までの絶食時間が一番長いですので、朝食前は一番たんぱく質が枯渇しています。
たんぱく質は体内で一度アミノ酸まで分解されてから吸収されるのですが、このアミノ酸の吸収率は、1日のうちで朝が一番高いと言われています。
つ
以上より、朝は体が一番たんぱく質に飢えている状態ですので、朝食こそしっかりとたんぱく質を摂りましょう!
2 朝食こそ食物繊維を摂ろう!

次に、腸内環境を良くするために欠かせない栄養素と言えば、食物繊維ですね。
食物繊維は善玉菌のエサにして増殖しますし、善玉菌が食物繊維を食べると短鎖脂肪酸などの物質を作りますので、これがさらに腸内環境を良くしていきます。
朝、昼、夕のうち、朝食の時に食物繊維を摂るのが一番効果的と言われています。
朝食時に食物繊維を摂ると、昼食時や夕食時と比べ、食後の短鎖脂肪酸量が増えたり、腸内細菌の多様性が上がるとのことです。
さらに、朝食時に食物繊維を摂った方が、便秘も改善しやすいというデータがあります。
Hyeon-Ki Kim,et al, “Ingestion of Helianthus tuberosus at Breakfast Rather Than at Dinner Is More Effective for Suppressing Glucose Levels and Improving the Intestinal Microbiota in Older Adults.” Nutrients. 2020 Oct 03;12(10); pii: E3035.
これは盲点でしたね。食物繊維はいつ食べても効果に差はないと思ってました。
そうであればぜひその理由を知りたいところですが、きちんとした理由はわかっていないとのことです。
ここからは個人的な意見ですが、考えられる可能性としては、腸内細菌が食物繊維を発酵する環境が、1日のうちで朝が一番環境が良いからではないかと思います。
それでは、なぜ朝が食物繊維を発酵する環境が良いのでしょうか?
A.食事を摂取するまでの絶食時間が、朝食が一番長いから
→確かに、睡眠時間が入ってきますので、夕食から朝食までの絶食時間が一番長いですよね。この絶食時間が長いことにより、食べ物を消化する必要がない腸内細菌は休養します。朝は腸内細菌に十分な休養が取れているため、昼や夜よりも食物繊維をより発酵しやすいのではないかと思います。
B.夜は腸内細菌の活動性が低くなっている。
→基本的に、睡眠中である夜間は食べ物の消化吸収の時間ではなく、1日フルで働いた腸内を腸液などでお掃除する時間です。さらに睡眠中は体温も低下していますので、腸内細菌が活発に動く環境ではないです。
このため、例えば夕食に食物繊維をたくさん摂ってもあまり効率的に食物繊維を発酵してくれないということになります。
3 コーヒーはモーニングコーヒーにしましょう!

コーヒーを飲んでいる方って結構多いですよね。
「お酒は飲みませんがコーヒーは毎日飲みます」
という方も沢山います。どちらかというと女性に多いような印象です。
コーヒーは適度に飲めば健康に寄与すると言われていますが、どのタイミングでコーヒーを飲むのが一番効果的なのかを調べた報告がありました。
Wang X,et al, “Coffee drinking timing and mortality in US adults.” Eur Heart J.2025 Jan 08
コーヒーを飲まないグループ、朝(午前中)にコーヒーを飲むグループ、朝から夜まで終日コーヒーを飲むグループに分けて調べたところ、
コーヒーを飲まないグループに比べ、朝にコーヒーを飲むグループは、全死亡と心血管死のリスクが低下したとのことです。
ちなみに終日コーヒーを飲むグループは、これらのリスク低下は認めなかったとのことでした。
しかも朝にコーヒーを飲むグループは、コーヒーの摂取量が増えるとリスクもより低下してました。ちなみに終日コーヒーを飲む群にはコーヒー摂取量との関連はありませんでした。
面白いデータですよね。なんで朝にコーヒーを飲んだ方が効果的なんでしょう?
先ほど、食物繊維を朝食で摂った方が効果的である理由を考察しましたが、やはり腸内細菌は朝が一番活発だからかもしれません。
ちなみに、腸活的な目線からコーヒーを考えてみると
- カフェインが腸のぜん動運動を亢進させる
- コーヒーに含まれるオリゴ糖が腸内細菌のエサになる
- リラックス効果によりセロトニンが分泌される
といったことが挙げられます。
ただし、コーヒーを飲み過ぎるとカフェインの利尿作用により、脱水となって便秘になりますから注意が必要です。
私はいつも患者さんに、コーヒーは1日2杯程度にしましょうと説明しています。
いかがでしょうか。なんとなく理想的な朝食がイメージできますね。
それでは以上を踏まえ、理想的な朝食を考えてみましょう!
主食:玄米ご飯
→玄米ご飯1杯でたんぱく質4g、食物繊維2gが摂取できます。また、玄米は酪酸菌の大好物ですので、腹ペコの酪酸菌が朝から喜ぶこと間違いなしです!
主菜:目玉焼き、納豆
→卵1個でタンパク質6g、納豆1パックでタンパク質6gが摂取できます。さらに、納豆1パックで3.3gもの食物繊維を摂ることができますのでオススメです!
汁物:味噌汁
→味噌はオリゴ糖が含まれていますので善玉菌のエサになります。また、味噌汁の中に色んな野菜を入れましょう。せっかくですから、水溶性食物繊維:不溶性食物繊維が1:2である野菜を入れましょう!
(食物繊維は、水溶性と不溶性を1:2で摂るのが理想です)
玉ねぎ 100gあたり;水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維1.0g→合計1.4g
だいこん 100gあたり;水溶性食物繊維0.5g、不溶性食物繊維0.9g→合計1.4g
にんじん 100gあたり;水溶性食物繊維1.3g、不溶性食物繊維2.5g→合計3.8g
じゃがいも 100gあたり;水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維0.8g→合計1.2g
以上のような野菜を入れるとよりgoodだと思います。
海藻類であるわかめも入れるとよりgoodですね。
副菜:野菜サラダ
→野菜サラダを食べて食物繊維を補いましょう!理想は不溶性食物繊維である葉物野菜ばかりでなく、ブロッコリーを入れたり、海藻類を入れると水溶性食物繊維が摂れますのでより効果的です!
飲み物:プロテイン、水、コーヒー
→朝食前にプロテインを軽く1杯飲みます。セカンドミール効果を期待してプロテインファーストです。これでたんぱく質10gが摂れます。
朝食中は水を飲み、食後のホッと一息でコーヒーを1杯飲みましょう。
これが理想的で完璧な朝食ではないでしょうか。
「朝からそんな時間ないよ」という方、いつもより30分早く起きれば大丈夫です。朝食をしっかりと摂れば、腸疲労は防げますし、腸疲労になっていても回復できると思います。
「朝食を制するものは腸漏れを制する」
皆さんぜひ参考にされてみてください。